好きの海に溺れそう

「…」

「どうしたの?」

「何でもないよ…」



あたし達は顔を見合わせて少し照れて笑った。



次の日の学校で話題にするのはもちろん日夏のこと。



お昼休みに、お弁当を食べてる日夏に昨日のことを聞き出した。



「で? どうだったんですか、昨日は?」

「別に…映画見てその辺適当に見て回っただけ」

「チューは? した?」

「するわけなでしょ」

「じゃあ手。つないだ?」

「…」



えっ、そうなの?



日夏が?



自分から聞いて驚いちゃったよ…。



「ねえ…早く付き合えば?」

「なんで…」

「好きなんでしょ?」



あたしが言うと、日夏はため息をついた。



「正直に言うけど、多分相当気にはなってる。好きになりかけてるとも思う。メールとかしてても返事とか楽しみだったりするけど」



それって、そういうことじゃん…。



あたしが口を開こうとした。



それを遮るように、日夏がきっぱりと言った。



「でも、好きじゃない」

「そういうもん?」

「そういうもん。あいつ見てドキドキしたり、そういうのない」

「そっか…」



でもまあ、そこは日夏に任せるべきだよね?



そう思っていたら、数日後のこと。



帰りのホームルームが終わり、帰る準備をしていたら、日夏が急に「えっ」と言った。



見ると日夏はスマホを見て驚いてる。



「どうした?」



あたしは横からスマホを覗きこんだ。



歩からだ。



『日夏の学校の近くまで来てるんだけど、迎えに行くから遊ばね?』