初めまして
新山 まゆです
今日から通う鎌田高校1年2組の窓際の前から2番目に座る私は
緊張で裏返りそうになる声に何とか耐えて
クラスメイト立ちに向けて挨拶をこぼす
拍手を貰いほっとして席につく
淡々と流れる自己紹介を終え
オリエンテーションも済ませ
早めの放課後
中学から一緒のみっちゃんこと橘 美月は相変わらず友達を作るのが早く
もう4人グループを作っていた
そんな中に入れずにいると
「もえー」
大きな声で私を呼んだ
うん、みっちゃん私恥ずかしすぎて顔挙げれない
クラスの皆がみっちゃんを一斉にみつめ
そしてそのみっちゃんが叫ぶ私にもその被害は及ぶ
「この後カラオケ行くんだけどもえも一緒ね!」
あ、拒否権ない感じですか?
きっとみっちゃんは私が奥手なの分かってるからそうやって声をかけてくれるんだよね
ありがとう
「は、はじめまして!新山もえです」
その女の子たちに自己紹介をすると
皆も返してくれた
「はじめましてー!荒北 恵でーす!メグーって呼んでね!」
少し舌っ足らずな喋り方をする小柄で少しふっくらした女の子メグ
「うちは原田 由紀!よろしくモエ!」
ボーイッシュな短髪のユキ
「アタシは水瀬 舞。よろしくねもえちゃん」
胸下まである艶やかな黒髪で大人の雰囲気のあるマイ
「そしてそして!この私が橘 美月でっす!」
少し茶色がかったボブをふわっと揺らして八重歯を覗かせていたずらっ子のように笑う私の親友みっちゃん
そんな始まりで私達5人組はいつも一緒だった
仲良くなるのに時間はかからなかった


