___遡ること2時間前。



「あーーつかれたっ」


高校3年、今年18歳になる私、空木 聖泣。


やっとのことで終わった塾の帰り道。

時間は真夜中。


(早く家に帰って読みかけの小説読みたいよ〜ッ)




そんな時、ふと何かに気づき、足を止めた。


「….なにこれ??」


そこにあったのは、人ひとり入っても十分余るほどの大きさの、大きなシミだった。


それは、真っ黒でどこまでも深く、吸い込まれそうな色をしていた。

真夜中だからそう見えるだけかもしんないけど。


「こーゆーのが異世界につながってたりすんのよね〜」


最近異世界ものの小説にはまっていた私は、ついそんなことを呟いていた。


すいませんね、厨二病で!!!


ちなみに今読みかけている小説も 異世界ものだ。


(あ〜ますます読みたくなってきちゃった!)


そう思った私は、止めていた足を再び動かしはじめて、シミの上を通り過ぎようとした。











___その時だった。




「え?今シミが動い____うぎゃああああああああ!!!!」




乙女らしからぬ叫び声と共に、私はシミの中に落ちていったのだった。