「まぶしい…」


まぶたの裏を太陽が照らす。

寝起きの悪い私はかすかな苛立ちと共に目を開けた。


「ふぁぁぁ。」


大きなあくびをしながら伸びをする。

だんだん頭が活動を始めて行くのがわかる。


もうろうとしていた意識がはっきりしてきた



「………………………ってここどこ!?!?!?」



完全に覚醒した意識が始めに捉えたのは、今いる場所だった。



そこはいつもの見慣れた自分の部屋の天井ではなく、見渡す限り、木!木!木!


足元にはスズランの花やイヌノフグリが咲き、
周りを見ればブナや山椒の木が並んでいてこの場所だけ綺麗な円状にぽっかりと空いていた。


どうやらどこかの森の中のようだ。

ちなみに私の記憶の中に、こんな森は存在しない。



「私なんでこんなとこに………?」