恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。



カラカラと、少し控えめに部室の扉が開く。

そこから顔をのぞかせるのは、目立つ金色の髪につり上がった目つきの男子生徒だった。


「すんません、ここに小泉さんは……」


彼の泳ぐ視線が私を捉えると、咄嗟に叫んでいた。


「在田先輩!」


会いたい人が訪ねてきた驚きに、私は目を見開く。

雅臣先輩の言ったこと、本当だった!

でも、どうしてわかったんだろう。

そんな疑問がいくつも頭の中に浮かぶ中、彼と目が合う。すると、在田先輩は頭を掻きながら、気まずそうに横を向いてしまった。


「会いたい人が、訪ねてきたぞ」


雅臣先輩の手が肩に乗り、私は振り向く。


「あ……なんでわかったんですか?」


ここに在田先輩が来るって預言を、雅臣先輩は見事に当ててしまった。

前々から不思議な人だとは思っていたけれど、まさか本物の超能力者だったなんて。

尊敬の眼差しを向けていると、雅臣先輩は「うん、今清奈が考えてることは絶対違うぞ」と言って、また頭を撫でてくる。


「初対面の在田が部活の加入届を清奈の教室に届けられたのは、加入届がすでに記入済みだったからだ」


それは、私も雅臣先輩の言う通りだと思う。

というか、それしか手がかりがないので、普通はそこを見るはずだ。

でもそれと、在田先輩が部室を訪ねてくることに、なんの繋がりがあるのだろう。


「相手は加入届なんていくらでも代えがあるのに、教室までわざわざ返しに来るお人よし」


お人よしって、酷いな。

虫も殺せなさそうな顔をして、雅臣は存外毒舌らしい。

私はたった今、さりげなく貶された在田先輩に気遣うような視線を送りつつ、苦笑混じりに尋ねる。