「あなたは、医者になるっていうのに──」


もう、我慢の限界だった。

私は火山が噴火するみたいに、怒りと苛立ちのマグマに突き動かされて、お母さんの話を遮るように叫ぶ。


「うるさい!!」


突然、声を張り上げた私をふたりはギョッとしたような顔で唖然と見ていた。


それもそうだろう。

生まれてこのかた、両親に逆らったことなんて1度もなかったのだから。


「無駄かどうかは、私が決める事でしょう!?」

自分でも制御できないくらい、頭がカッと熱くなっていた。


「せ、清奈、どうしたんだ」


お父さんが、気が触れたのかと言いたげに私を見る。

意見すればこれだ。

私がおかしくなったと思っている。

これは私が口にできずに、飲み込んできた言葉。何年、何十年も溜め込んできた想いを吐き出してるんだ。