その関係は何一つ変わらないまま、月日は流れていった。
「隼人せんぱーい!!」
何かあれば、必ず呼ぶのは俺の名前。
満面の笑みで俺を見てきたり、慌てふためいて潤んだ目で見てきたり、コロコロと表情が変わって忙しいやつ。
「今度はどうした？」
「部室の鍵の暗証番号忘れてしまって……」
どこか抜けていて放っておけないのは相変わらず。
そして……。
「隼人〜っ。凪ちゃんまた寝てるわよ？ 起こしてあげて〜」
居眠り常習犯。
部室で寝るのはもちろんのこと、みんなで出かける時の待ち合わせ場所でもベンチに座って寝ていたり……。
誰よりも早く待ち合わせ場所に来る心がけはいいと思うんだけど、凪咲の中に“危険”って言葉がないのかとつくづく思う。
「凪咲っ!!」
「は、はいっ!!」
なんてやりとりも日常と化してしまった。
「隼人は凪ちゃんの目覚まし代わりだよね〜！」
なんて笑われるのも日常。
