【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「選びなさい。……心優と結婚するか……お前の愛する心春さんを喪うか……」


聞きたくない。


もう、何も、聞きたくない。


どうして、思い通りにいかない?


俺たちは、ただ、生きているだけなのに。


どうして、こんなにも交われない?


心が、遠いんだ。


「俺は……」


言い返そうと、口を開いたとき。


――バンッ!


突然、開いた扉。


思わず目を向けると、一人の女がいた。


同じく、心優もそこを驚いた顔で見つめる。


藤島はそこを面白そうに眺めて、言った。