【完】☆真実の“愛”―君だけを―2

■大樹side□



傷つけたくなかったのに、春を傷つけた。


その大きな過ちは、俺に決心をさせ、藤島のもとへ向かわせた。


「……で?俺に結婚をしろと?」


親父の仇。


そう思いながら、会いに行ったら、そこにいたのは優しそうな好好爺。


絶対、裏があるが。


「ああ。結婚して、私のあとをついでほしいんだ」


「……相手は?」


どうせ、やることはない。


こいつの代わりに、藤島を乗っとるのもいい。


乗っ取って……健斗さんの会社と合併すれば良い。


いや、でも、彼は……健斗さんは許さないかもしれない。


藤島のジジイを恨んでいる彼のもとに来た自分は、彼の中で裏切り者に堕ちるかもしれない。


それでも。