【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「ちょーっと、通してねー」


電子ロックキーを適当に触り、解除する。


さすが、御園。


こんなことまで、わかるとは。


(ある意味、怖いよなー)


私はそのトップに君臨する奴を、旦那に持っているのか。


追いかけてきた警備員は殴り倒し、走れないぶん、こそこそと歩いてく。


やっぱり、足が使えないのは不便だ……。


運動系である私は、ひどくそう思う。


でも、これが代償なら、安いと感じる。


本当、現金な頭だ。


何だかんだしているうちに、社長室の前に辿り着いて。


「あれ?意外と私の身体、動くじゃん」


使えないと言われたのに……優秀である。


走れないけれど、鍛えられた警備員は蹴飛ばせるのだから、問題はないだろう。うん。


「じゃ、お邪魔しますか」


社長室の扉の電子ロックキー。


これも、わかっているわけで。


私は、容易に侵入した。