◇
◆
◇
「うわー、でかっ!」
自分の祖父の会社を見上げ、そう言った沙耶。
「やっぱ、御園や姫宮と比べるとあれだけど……すごいな」
どんなにすごくても、裏でやって良いことといけないことがあるだろう。
確か、72歳だったか……藤島雷紀は。
それで……
「ねぇ、相馬」
「ん?」
沙耶は俺の名前を呼び、振り返る。
「……お願いしたいことがあるんだけど」
―嗚呼、やっぱり、この女は統治者の器である。
男だったなら……俺は、沙耶をライバルと認めていただろう。
沙耶は頭が回るから……俺は、そんな沙耶のなかに隠された弱いところに引かれたのだから……沙耶のためならば、なんだってする。そして、沙耶を傷つけるものは、すべて、容赦なく消すんだ。
沙耶の笑顔が守られるならば……俺は、なんだって。
沙耶が中心のこの世界で、俺は今日も生きていく。
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「うわー、でかっ!」
自分の祖父の会社を見上げ、そう言った沙耶。
「やっぱ、御園や姫宮と比べるとあれだけど……すごいな」
どんなにすごくても、裏でやって良いことといけないことがあるだろう。
確か、72歳だったか……藤島雷紀は。
それで……
「ねぇ、相馬」
「ん?」
沙耶は俺の名前を呼び、振り返る。
「……お願いしたいことがあるんだけど」
―嗚呼、やっぱり、この女は統治者の器である。
男だったなら……俺は、沙耶をライバルと認めていただろう。
沙耶は頭が回るから……俺は、そんな沙耶のなかに隠された弱いところに引かれたのだから……沙耶のためならば、なんだってする。そして、沙耶を傷つけるものは、すべて、容赦なく消すんだ。
沙耶の笑顔が守られるならば……俺は、なんだって。
沙耶が中心のこの世界で、俺は今日も生きていく。


