【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「……相馬、悠哉と茅耶をひとまず、京子さんに預けても良いかな?」


「ああ、構わないが……」


今から行くところには、連れていけない。


もしもの時、大変なことになるから。


「私、お祖父ちゃんのところに行ってくる。大兄ちゃんに伝えなくちゃ……貴方は、一人じゃないんだよって」


置き去りにしたんだから……私だって。
兄を救いたい。


「そうだな」


相馬の、大きな、大きな、優しい手。


そんか私の頭を撫でるその手は、優しくて。
とても、優しくて。


頭の中から消えず、よみがえった疑問。


(どうして、儀式を受けちゃダメなの……?)


何となくわかっていても、怖くなる。


私に飽きたんじゃないかって。


疑いたくなんか、ないのに。


これ以上、この人の優しい瞳を。