【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「しているんだよ。お前は、無意識に」


「へぇ……」


全く意味がわからないが、悪い意味じゃないならいいや。


開き直り、私は話の先を促す。


「政略結婚だったのは、知ってるな?」


ひいお祖父ちゃんの時代となると、50年はゆうに遡る。


その辺りなら、政略結婚なんて珍しいものではない。


「えっと……それは、お祖父ちゃんのお父さんである、藤島紀一が、でしょ?藤島美喜子は、第二夫人のはずで……」


詳しくはない。


でも、お祖父ちゃんのことはしらなくちゃならない。


何故、彼がそんなことをしたのか、とか。


調べなければ、知らなければ、対等にやりあえない。


「第一夫人と紀一さんは、相思相愛だったんだってね」


「恋愛結婚だったそうだ。二人の間には、雷紀さんが……沙耶のおじいさんであり、藤島グループの現総帥が生まれた」


相馬から聞かされる、すべて。


その時、彼が何を思い、判断したのか。


『許せない』


その思いだけでは、駄目だ。


そんな適当さが、人を傷つけるのだから。


『それはダメ。これは良い』


押し付けるのも駄目だ。

それは、人権を損なう。