【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「京子が、沙耶ちゃんと楽しそうに話してたし、沙耶ちゃんの薬指には、指輪があったし」


「……観察眼、常人離れしてますね」


「そりゃ、一応、姫宮の総帥をやっているからね」


こういう大人が邪魔してくるから、二人きりの時間がとれないのではないだろうか。


こんなことを言うのもなんだが、仕事は明らかに多いはずなのに、何でこんなにも暇人ばかりが周囲にいるのか。


理由は簡単。


仕事を行うスピードが尋常ではないくらいに早いからだ。


「……双子、見に行くかい?」


「……行きます」


ここでフラフラしていても、暇なだけだ。


結局、片付けなければならない仕事はすべて片付けてしまったのだから、暇である。


だからと言って、こんなところでうろうろしておくのは、この人たちみたいで嫌だ。