「相馬が、心から笑っていなかったことは知っています。薄っぺらで、冷たくて……『孤独』そんな言葉が、第一印象で思いついたほどですから」
いつからだろう。
相馬の暖かな笑顔に気づき、惹かれ始めたのは。
短い時間の間にいろんなことがありすぎて、もう、思い出せない。
嬉しいことも、辛いことも、もう、いいや、と思うくらいに味わった。
「沙耶のおかげや」
目をつぶると、思いだす。
わずか、二年間の物語。
「そんな……私は何もしていませんよ。ただ、相馬を愛して……たまたま、愛されただけです」
愛している。
だからこそ、知らなければならない。


