(……嫌だ) 素直に、そう思った。 沙耶と離れたくないんだと。 そして、沙耶は俺の痛いところをつくんだ。 無意識に、笑顔で。 「相馬、好きな人がいるのでしょう?私のことなんかより、そっちを優先しなくちゃ。あ、心配しないで?双子は、私が育てる。明日、会いに行くんだ!」 そう呟く、沙耶の左手の薬指に輝く指輪。 沙耶が眠っている間に、外したり、はめたりを繰り返しているもの。 沙耶が目覚めて、気づいたこと。 沙耶は、左半身の感覚をすべて、失っていた。