柏原奈櫻。
そう書かれた、病室を開ける。
「生きてくれ……沙耶……」
すると、相馬の苦痛の滲む声が聞こえた。
(寝てねぇな。こりゃ……)
寝れるはずがない。
その気持ちは、とてもわかる。
俺だって、桜が大変なときは眠れなかったのだから。
「なぁ……」
背後から、声をかけると。
相馬の身体が目で見て分かるように、跳ね上がった。
(こいつ、俺の気配に気づかなかった……?)
いつもなら、気づくくせに。
扉の前にいても、わかるくせに。
なのに、なんで、ここまで……
振り返った相馬の顔は、疲労がにじみまくっていた。
沙耶が死んだら、すぐに後を追いそうなほどに。


