【完】☆真実の“愛”―君だけを―2

■薫side□




「薫、これを相馬に届けろ」


「あ?」


ジジイから渡された、ひとつの封筒。


「……沙耶から、預かったんだ。健斗と、俺にそれぞれ預けていたらしい」


「……」


「今日、相馬の誕生日だから……頼んだ」


「…………ああ」


沙耶はいろいろなものを残し、多くの人間を裏切った。


「沙耶のバカ!」


柚香は泣きながら、そう言って。


夏翠も沙耶の不安に気づいてあげられなかった、自分の不甲斐なさに後悔を募らせて。


相馬など、言うまでもなかった。


それでも、沙耶はこの選択が正しいのだと信じてる。


自分が周囲の人間にとってどんな存在かを考えもせずに、勝手にすべてを決めて逝く。


あの選択は、正しくない。


自分を思ってくれる人間を悲しませるのが、正しい選択のはずがない。