■薫side□
「薫、これを相馬に届けろ」
「あ?」
ジジイから渡された、ひとつの封筒。
「……沙耶から、預かったんだ。健斗と、俺にそれぞれ預けていたらしい」
「……」
「今日、相馬の誕生日だから……頼んだ」
「…………ああ」
沙耶はいろいろなものを残し、多くの人間を裏切った。
「沙耶のバカ!」
柚香は泣きながら、そう言って。
夏翠も沙耶の不安に気づいてあげられなかった、自分の不甲斐なさに後悔を募らせて。
相馬など、言うまでもなかった。
それでも、沙耶はこの選択が正しいのだと信じてる。
自分が周囲の人間にとってどんな存在かを考えもせずに、勝手にすべてを決めて逝く。
あの選択は、正しくない。
自分を思ってくれる人間を悲しませるのが、正しい選択のはずがない。
「薫、これを相馬に届けろ」
「あ?」
ジジイから渡された、ひとつの封筒。
「……沙耶から、預かったんだ。健斗と、俺にそれぞれ預けていたらしい」
「……」
「今日、相馬の誕生日だから……頼んだ」
「…………ああ」
沙耶はいろいろなものを残し、多くの人間を裏切った。
「沙耶のバカ!」
柚香は泣きながら、そう言って。
夏翠も沙耶の不安に気づいてあげられなかった、自分の不甲斐なさに後悔を募らせて。
相馬など、言うまでもなかった。
それでも、沙耶はこの選択が正しいのだと信じてる。
自分が周囲の人間にとってどんな存在かを考えもせずに、勝手にすべてを決めて逝く。
あの選択は、正しくない。
自分を思ってくれる人間を悲しませるのが、正しい選択のはずがない。


