【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「……ねぇ、目を瞑って」


鶴は自分の涙を拭い、そう言った。


「え……?」


「もう、三途の川の向こうにつくから。一気に、送り出してあげるから。特別よ?私に気づかせてくれた……」


鶴が、言いかける。


刹那。


目映い光が、鶴に降り注ぐ。


「なっ……」


それに驚いていたのは、鶴自身。


簡素な格好から、お姫様の格好……十二単になった鶴は、自分の姿を見回して。


「なんで……」


彼女は、平安時代の姫君か。


「……これで、還れるね」


輪廻に還り、生まれ変われる。

さすれば、逢えるかもしれない。


神様は、わかってくれたのだ。

鶴は、良い子なんだって。


「でも……」


「……私は、大丈夫。ここからでも、一人で還れるわ。道標は、光があるもの。何より、還らなくちゃならない。……私、現世で鶴に会いたい」


双子にだって逢って、抱き締めたい。


鶴とだって、現世で友達になりたい。


「……あり、がと……」


震える声で、紡ぐ鶴。


「道は、逆だよね?なら、ここで、さよならだ」


残念だけど、仕方がない。


多分……ううん、絶対、私が生きていれば、彼女に会える。


彼女は、忘れているかもしれないけれど……それでも、私が探しだそう。


手を広げて見せると、鶴が飛び込んできた。


抱き締めあって、笑い合う。


「……生まれ変わるなら、貴女の娘が良いな」


「えー?」


双子の他に、私が生めるだろうか。

夢通りなら、あと、五人いるのだが。


「まだ、若いんでしょ?なら、私の来世を生んでよ」


「んー、相手がいたらね」


無茶な注文のような気がするけど、鶴はこれくらいが良い。


「なんて。……まぁ、無理だったら、親友になれるように生まれ変わるわ」


鶴が生まれ変わったら、名前は何になるだろうか。


私、だったら……


「じゃあ、またね」


「……うん、また、会おう」


いつか、会える。


お互いに、その確信があったからなのか。


私達は、笑顔で別れた。


そして、この時から、11年後。


私達は、希望通りの再会を果たすことになるんだ。