【完】☆真実の“愛”―君だけを―2




「……鶴はさ、なんで、ここにいるの?天国に、行かないの?」


彼岸花、三途の川、何もないその世界で、私が認識できる、唯一の人。


それが、鶴で。


不思議に思った。


なんで、ここにいるのだろうか、と。


「行かないわよ!行けないの。私は、自殺しちゃったから」


「えっ……」


「いやねぇ、そんな顔、しないで頂戴」


さらりと、自分の人間の時のことを言う鶴は、全く気にしてなさそうで。


「ちょっとね~、嫌なことがあって。首をグサッと」


「っ……」


「失恋、って言ったら、可愛く聞こえるけど……そんな可愛い理由じゃないんだな。これが。まぁ、失恋が始まりだったわけだけど」


「……辛くなかった?」


私は、恋をしたことがない。


否、相馬に逃げるように想いを伝えてきたから、失恋というものを経験する時間がなかったんだ。


「辛くなかったと言ったら、嘘になるけれど……でも、人を裏切ったり、嘘をつくより、楽だったから。まぁ、1000年以上、前の話だし。あれなんだけど」


「……ずっと、ここにいるの?」


「そうね。神様からお許しが出たら、輪廻に還れるかも」


鶴は、なんてね、と、笑う。