「私、黄泉路の案内人。鶴(つる)、って呼んで」
「鶴……」
私、どうしたんだっけ?
夕蘭と草志を再会させて、朝陽に謝って、双子を追いかけて、月耀と会って……みんなを見て、呪いを解いてもらって……
「……」
落ち着いて辺りを見渡すと、凄い。
数えきれない数の、彼岸花が咲いている。
「ここは、生と死が交差する場所よ。あんた、生きているくせに、三途の川を渡っちゃダメじゃない」
「え、私、三途の川を渡ったの?」
「渡ったから、私が、仕方なしに迎えに来たの!約、1000年振りの休日を棒に振って!お願いだから、こんなことをしないでよ~私、放っておける性格じゃないんだってば……」
「1000年ぶり!?嘘でしょ!?」
「嘘じゃないわよ!厠に行く時間だってないんだから!」
どうやら、鶴の話だと私はまだ、生きているらしい。
朝陽が、月耀が、生かしてくれたから。
「厠!?トイレに行くの?」
「行かないわよ。死んでから行く意味がないじゃないの……身体がないのに、どうやって排泄すんのよ」
「で、ですよね……」
現代に生きていたら、明らかにヤンキーだったような態度である鶴は、ため息をつき、私に指で行く先を示す。
「ほら、あっちは現世に繋がるから。あの、光のところ。……わかる?」
「ええ。あそこにいけば、還れるの?」
「あんたはね」
「鶴は?」
「私は、ここで罪を償っているの。大体、何年前に死んだと思ってんの?身体なんて、とうに、土の栄養になっちゃったわよ」
キラキラと光る、三途の川の向こう。
「舟を用意してあげるから、還りなさい。ちょっと、歩くけど……こっちよ」
案内人。
職業名の通り、案内してくれるらしく。
私は、歩くなかで彼女に訪ねた。


