(沙耶との約束、どうするべきか……)
御園という名字で、双子の戸籍を作っちゃった時点で、沙耶の遺言とやらは守られてない。
つか、沙耶自身が死んでない。
運命に抗って、沙耶を生かしてしまった。
すでに罪を犯しまくっているこの身が、死後、地獄に堕ちようが知ったことではないが、沙耶まで巻き沿いを食らわせるのは……
悩むことは、まだ、たくさんある。
それに、俺は……
「ついたぞ、相馬」
自分で運転していたくせに、考え事のせいでボーッとしていた俺に、親父からの声が上から振る。
「……はぁ」
ため息をつき、エレベーターに乗ると。
「本当、時が経ったよなぁ……」
直樹さんが夏翠を授かったのは、20歳。
俺と同じで。
俺が生まれたとき、19歳だった彼は医者見習いだった。
5歳年下の直樹さんは、よく、父さんに可愛がって貰ったっていっていたが……


