「俺も、氷月も、余裕だから安心してよ。絶対に合格するから」 別に、心配はしてないが。 「兄さん、ご飯食べたら、沙耶のとこ行く?」 「ああ。……俺がいない間、家のなかで、ちょっとした変化あったんだろ?何があった?」 甲斐から受けた、報告。 「ん?住人が増えただけだよ」 「住人?」 「そうそう。えっとねー」 水樹が言いかけたのと、俺が広間の襖を開いたのは、ほぼ、同時で。 中にいた面子は、すでに、酒を呑んでいた。 ……まだ、昼にもなっていないのに。