【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「『どうやったら、はるくんはうちのほうを見てくれる?うちを愛してくれる?あの女がいなくなったら?でもな、うち、はるくんの悲しむ顔はみたくないんよ』……ゾッとした。この女はもう、俺らの知っている、美しく気高い女じゃない。ただの、色恋に溺れた、壊れてしまった、この家の欠陥品だって」


そんなことを思い、なるべく、陽希おじさんや魅雨と会わせないように、父さんは動いた。


結果、薬を盛られ、身代わりにされ、総一郎兄さんが生まれた……。


「ごめん……俺に、もっと、力があれば……和子を止めながら、あんなことにならないように動く頭があれば……こんなことには、ならなかったのに」


懺悔する、父さん。


「……それだけやないやろ?まだ、もっと、話の続きがあるはずや。話してほしいんやけど」


総一郎兄さんと私が生まれたからといって、ちゃんちゃんではない。


何となく、相馬が忌み嫌われたであろう、原因と理由はわかっている。


陽希おじさんに執着していたというのなら……


「僕が、24の時、相馬が生まれた。完全に狂い、壊れていた和子はその時から俺のあとを追いかけ、俺のことを『はるくん』または、『陽希』と呼んだ」


父さんは、否定しなかったという。


「京子が生まれたときからだった。最初は違うっていっていたけれど……『なんで?そんなつまらん嘘をつかんで。はるくん、はるくん、何でうちから離れていくんや?なぁ、こんなにも好きなんや。離れていかんで』……指摘する度にそういわれ、段々、指摘するのも疲れていったんだ」


相馬が生まれたばかりの頃、和子は仕事で大きな案件が入り、そちらに付きっきりになった。