「…………兄さん、とりあえず、落ち着こう?大丈夫だから、私がそばにいるわ」 すでに、目の前にいたのは兄ではなかった。 人の弱さに巻き込まれ、壊れてしまった男……。 優しすぎるがゆえに、抱え込んだものが大きかった兄さん。 「助けてもらいましょう?もう、苦しまなくても良いの」 私は震える兄さんの背中を押して、久しぶりの実家の敷居を跨いだ。