初めは、信じられなかったんだ。 前世とか、記憶にないから。 貴方が私を通して、夕蘭を見るたび、悲しくなる日だってたくさんあった。 私を見てほしかったから。 でも、いつ頃かな。 急に、あなたは私を見てくれたよね。 ううん、もしかしたら、私が気づかなかっただけなのかも。 あなたはずっと私を見ていてくれたのに、私がずっと、気がつかなかっただけなのかも。 貴方はずっと、“御園相馬”として、“私”を見てくれていた。