【完】☆真実の“愛”―君だけを―2

□光輝side■




なーんか、目の前が、修羅場になり始めたぞ。


「そんなことはないわ!」


いきなり現れ、自己嫌悪する夏翠に怒鳴った女の人は、短い髪を揺らし、言った。


「……それはちょっと、違う」


突然、現れた女性。


見たことなくて、呆然としていると。


「……帰ってくんのが、おせぇよ。馬鹿野郎」


雪さんが笑いながら、壁に寄っ掛かって、笑っているのが見えた。


彼がそういう相手は、


「あら、相変わらず変わらないんですね。雪さん」


「……随分、逞しくなったな」


「そりゃ、どうも?」


「俺を初めて見たときは、怯えるただの小娘だったくせしてよ」


「ふふ、あの時は本当の地獄を知らなかったもの」


漆黒の髪。


桜と違うのは、髪の長さだと言っても過言ではないくらいにそっくりな美人。