なれた光景だから、もう、なにも言うまい。


彼らは、変わらないのだから。


「あ!奇跡!」


教室にはいると、何故か、机が綺麗だった。


落書きがひとつもなく、引き出し、ロッカーの中を見る限り、他のものも無事だ。


ここまで平和だと、逆に怖いくらいだが……


「ああ、それ、多分ね……」


柚香に相談すると手を引かれ、連れていかれた先は、中間考査の結果表の前。


成績上位者が、張り出されるものなんだが……


1、黒橋沙耶  967
2、千羽千歳  963
3、百地優子  950
3、月島柚香  950
5、焔棠薫   942
6、梶風斗   928
7、島田誠之  924
8、千羽澪 910
9、中村将生  893 
10、奥平侑 872



「…………嘘でしょ?」


そんな、言葉しか出せなかった。


「なに、これ?」


採点ミスではないだろうか。


「967って……計算では、650以下のはずで……」


「また、計算して受けてたんでしょうが。良いじゃないの、これが実力なんだし」


「……」


目立たないために、私はわざと点数を落としてきた。


赤点で留年にならなければ良いのだから、と、思って、テストを受けてきた。


だって、私だったら、嫌だから。


当たり前のように学校をサボって、授業をサボっている人間が頭良いとか、理不尽さしか感じないだろう。