「沙耶!」
久しぶりの、登校日。
最悪の、雨模様。
「おーおひさー」
「おひさー、じゃないよ!なに、学校サボってんの!?」
「……ごめんってば」
「沙耶と交流を持てるのは、学校ぐらいなんだから!ちゃんと、来てよ!!」
「さーせん」
顔を会わせた瞬間、怒鳴られる私。
「……相変わらず、仲良いな」
そこにひょっこりと顔を出してきた千歳は、柚香の頭を撫でる。
「心配だったんだよな。わかる、わかる。でも、沙耶の居場所はわかるようになってるから。安心しろ、柚香」
「ん……」
恋人の言うことは、おとなしく聞くんだ……
柚香の意外な一面を見た気がして、苦笑してしまう。
「沙耶、お前、今、家に一人だろ?大丈夫なのか?」
「ん。平気ー。当主のことでしょう?相馬が、大丈夫だって」
「つーことは、動きがねぇってことか……」
毎度思うが、何で、ぞろぞろと私は引き連れているみたいな形になっているのだろうか。
千歳で始まり、気がつけば、薫も、澪も、みーんな後ろにいるのだが。


