「なに言ってんだ?これは、俺のための話なんだが?」
こっちがどういうことなのか、聞きたい。
意味がわからず、戸惑ってしまう。
すると。
「お前が父親に金を返す間、つまりは一人立ちできねぇってことだろ?だったら、俺に借金……させたくないんだが、柚香はきちっとする質だから……」
「……つまり、千歳に借金すれば、どうせ、一生一緒にいるのだから、問題がないと?」
「そういうことだ」
……そこまで、頭は回らなかったのだが。
「でも……食費とかを合わせたら、恐らく、3000万じゃ……」
「じゃあ、いくらあればいい?一億?」
…………金持ちの本気とは、なんと、怖いものでしょう。


