「愛してる」 この恋に幸せな結末が用意されていなくても、俺達は互いに溺れ合う。 触れ合えることは泣きたいぐらいに幸せで、離れたくない。 そう、思ってしまう。 誰かを犠牲に成り立っている愛だと知っても、俺達はこの想いを止められなくて。 止めたくなくて。 「夏翠?」 ほら、いつの時代でも、世界でも。 俺達は自分のことしか考えていない、身勝手な人間だ。 「もう……やめよう?」 夏翠の頭を撫でると、そんな声が発せられ、それは痛いくらいに静かな部屋に響いた。