「待って」
そして、暴走気味の瑛醒を止められるのは、やっぱり、妻……改め、現世では、恋人の流霞だけらしい。
「私、まだ、みなさんにご挨拶してないわ。ご挨拶をさせて」
「律儀だなぁ~」
「当然のことでしょう」
前世名、流霞の彼女は、瀧の手を引いて、俺達の前に来ると、深く、頭を垂れた。
「お久しぶりです。皆様」
「……流霞、お前に記憶はあるのか」
口調から、あることはわかっていた。
それでも、訊ねざるえなくて。
「勿論。再び、お会いすることが出来、感涙の念に耐えません」
「……堅苦しい挨拶はいい。俺らはもう、人間なんだから……でも、記憶はあるのか。良かった」
昔から、真面目で、律儀で、今でいうのなら、ネガティブ思考だった流霞。
「ふふっ、お変わりありませんね。氷斗様。私も瑛醒様の幼馴染みとして生まれ変わり、水川弓(みずかわ ゆみ)となりました。どうか、弓、とお呼びください」
生まれ変わり、こんなにも明るくなった。
生まれてきた、環境が良かったのだろう。
「じゃあ、お前も、敬語はなしだ。俺らのことも、呼び捨てでいい」
それでも、細かいところは気にするようで。


