「散れ……っ!!」
突如、耳なりのような音が響き、暗雲の中、雷が敵に落ちてくる。
敵たちは、唸り声をあげ、散っていく。
「治癒万風」
そして、寸刻の間も空けず、そう言いながら、どこからか取り出した扇を地にふわりと置いた。
「快癒」
敵がいなくなった安堵感からか、座り込むやつら。
薫達も、癒えていなかった傷のために座り込んで、肩で荒い呼吸をしていた。
放っておけば、必ず、死ぬ。
そんなときに、この術。
傷を負った俺たちの足元には、円を描いて経文が浮かび、俺たちの傷を癒し、服を元通りにしていく。
人外のものを家族にもち、その血が流れる俺。
そして、前世の記憶をもち、または、知っていて、多少のことには驚かない、柚香たちや俺らでも、この現象には驚く。


