血を流す妖怪たち。
刀を必死に振り落とすも、消えない敵。
「悪いが」
めちゃくちゃな現場の上に、出血しすぎて、頭がボーッとするのに、その低い声だけは、何故かハッキリと聞こえて。
「消えてもらおうか」
視線をずらせば、長身の男が、大門にいた。
「時刻零止」
女の手を取り、ニヤリと笑い、彼は術みたいな、経文みたいなものを唱えてく。
「フッ、ちゃんと、来やがったな」
印を結びながら、父は笑った。
楽しそうな理由は、彼の訪れを予知していたからだと悟る。
強い、強い、気。
それこそ、俺らでも勝てないくらいの。
「こんなことをしてる暇、俺にはないんでね」
手は繋いだまま、女を庇うように背に隠し、自由な方の手を彼は横に振った。


