『夏翠』
黒闇の中、誰かに名前を呼ばれた。
『……誰?どうして、私の名前を知っているの?』
『知っているわよ、知らない方がおかしいでしょう?』
クスクスと、笑う声。
『本当、なんていうか……ずーっと、見てたけど、夏翠は、引っ込み思案、なのかな?』
見たことのない、衣装。
どこで見たといえば、そう……教科書だ。
『初めまして。大燕鳳帝国(だいえんほうていこく)第18代皇帝、双燎飛(そう りょうひ)の妻であり、皇后の練紅鈴(れん こうりん)よ。紅鈴って、呼んでね?』
ニコニコ笑って、人懐っこい人。
そんな、イメージを抱く女性。


