できることといえば。
「柚香、」
「っ……な、なに?相馬」
話し掛けると、柚香は、必死に涙を隠そうとした。
「泣いてもいい。怖がるのは、仕方がない。この先は、危険だから……」
「やだっ!千歳は、その危険な人たちと戦うのでしょう!?だったら、私たちもここにいるわ!」
澪も、真姫も、夕梨や、梨華、鈴蘭、朱里、燐は全員、柚香の言葉に頷いた。
愛しているから、当然だと。
それは、そこにいる巫女すべての願いだった。
「分かった。なら、守り抜いてやるから……沙耶を頼む」
柚香に沙耶を預け、巫女達の前に俺は立つ。
「来るぞ!」
襲いかかるもの達から護るように結界が敷かれてく。
何故、俺たちは戦うのか?
―そんなの、簡単だ。
生きるため……愛する人を守るため。
愛する人と、生きていくためだ。
「どうせなら、戦って、死にてぇなぁ……っ!!」
印を組んで、不敵に笑い、背に羽を生やした千歳たちの父、暁良は相馬の隣に立ち、巫女たちを護る態勢に入ると、最悪な状況なのにも関わらず、ニヤリと楽しそうに笑った。
「つよーい気が近づいてる」
暁良の言葉の意味が分からず、妖怪が襲いかかり、殺戮が行われていくなか、俺は首を傾げるしかなかった。


