「下がってろ!」
バタバタと、千羽の者が表に出ていくなか、先頭に立ったのは、薫、相模、甲斐、千歳。
「千歳!」
雨が降りそうな暗雲の下、柚香の声が響く。
「大丈夫だ。お前は下がってろ」
「っ……」
「泣くなよ。死ぬ訳じゃねー」
千歳は足を止め、柚香の頭を撫でた。
「ごめ……っ!」
誰もが、予感していたのかもしれない。
このまま動いても、勝ち目はないと。
だから、見守ることしかできない巫女たちは、涙する。
その中で、俺の巫女である沙耶は、ぐったりと眠っていて。
呼吸は落ち着いていても、沙耶を放って戦いに身を投じることは、今の俺にはできなかった。


