【完】☆真実の“愛”―君だけを―2




「下がってろ!」


バタバタと、千羽の者が表に出ていくなか、先頭に立ったのは、薫、相模、甲斐、千歳。


「千歳!」


雨が降りそうな暗雲の下、柚香の声が響く。


「大丈夫だ。お前は下がってろ」


「っ……」


「泣くなよ。死ぬ訳じゃねー」


千歳は足を止め、柚香の頭を撫でた。


「ごめ……っ!」


誰もが、予感していたのかもしれない。

このまま動いても、勝ち目はないと。


だから、見守ることしかできない巫女たちは、涙する。


その中で、俺の巫女である沙耶は、ぐったりと眠っていて。


呼吸は落ち着いていても、沙耶を放って戦いに身を投じることは、今の俺にはできなかった。