「ありがとう」 そう言って、笑うな。 俺は、最低なやつだから。 「沙耶……」 名前を呼んで、唇を奪う。 隙間がないくらいにくっついているのに、もっと、奥まで触れあいたいと望んでしまう。 (愛ってもんは……相変わらず、厄介だ) キスをして、舌を絡めあったところで、隙間なく、抱き合ったところで、沙耶の心は手に入らないのに。 (愛してる) 俺は、伝えられない想いを行為に委ね、沙耶を貪った。