「沙耶」 混乱する、私を置いてきぼりにしない。 止まって、振り返って、手を差しのべる。 ……相馬は、私の好きな人は、そういう人。 「おいで」 全てを、諦めていた。 心配されないように笑って、 心配されないようにわがままを言って、 心配されないように泣かない。 命が尽きる、最後の瞬間。 生きていて良かったと思えなくても良い。 その代わり、その瞬間まで、皆に笑っていてほしい。 それだけが、私の望みだった。 けど、相馬に出逢って……すべてが覆って。 ……今さら思う。 死にたくない、って。