「……沙耶!」 誰なの。何なの。 『お前を、手に入れる……どんな手を、使っても、な』 頭のなかで木霊する、声。 (もう、やめ……) 誰かに、体を揺さぶられる。 聞こえないように、必死に耳を覆い隠していたのに……その両手も、彼に拘束され、私は顔をあげた。 「沙耶、何があった!?」 聞きなれた声。 見慣れた顔。 好きな温もり。 ……視界が歪む。 「……っ、相馬……っ!」 縋りつく。 ……好きな、人。