「……あ、このにおい……生命のにおいだね」
ニコリと笑った瞬間、恐怖が最高潮に達した。
「……っ、あ、貴方は……誰、なの……」
初めてだった。
こんなにも、手が震えたのは。
今まで、何があっても、震えなかったのに。
「えぇ~覚えてないの?あんなにも、愛してあげたのに」
「……っ」
「また、愛してあげたくて、ね?だって、つい、前は殺しちゃったんだもん」
信じられなかった。
じゃあ、この人間は。
「僕は、人なんかじゃないよ?さしずめ……そうだね、化け物、とでも、言っておこうか」
実力なんかじゃ、かなわない。
そんな奴等と、相馬たちは闘ってきたのか。


