【完】☆真実の“愛”―君だけを―2

□沙耶side■




薫たちと学校をうまく抜け出し、別れたあと。


私は千歳からもらったキーホルダーを鞄につけ、ブラブラと歩いていた。


人通りの少ない道。


いつも通り、歩いていたつもりだが、恐らく、油断していたのだろう。


ドンッ……


「……っ、てて……あっ、ご、ごめんねっ!」


前方からの歩行者に気づかず、ぶつかって、転んでしまう。


しかも、ぶつかった相手は、十歳前後の童女。


「だ、大丈夫……?」


水色のふわふわのワンピースに、青いフリルのついた傘。


ふわふわな金色の髪に、緑色の瞳。


明らかに、お嬢様な彼女は、こちらをじっと見てきて……


「……やっと、見つけたわ」


そう、微笑む。