【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「……力、使うの?」


小さな、童子。


先程まで、いなかったはずの童子は俺を見て、ニコリと微笑む。


赤い傘に、赤い下駄、赤い瞳に、赤い花。


狐のお面に、鈴をつけ、カラン、コロン、と、彼女は歩く。


「まだ、だよ?今、使っちゃったら、大変なことになるよ。巫女を、守るんでしょ?」


何でも見透かすような、瞳。


十歳前後の童子は笑い、


「目覚めたね」


そう言った。


俺には、到底、理解できなくて。