言われた通りにサイトを開き、見れば…… 赤い点は、同じ場所で止まっていた。 じっとしていることを知らない沙耶が、じっとしていることに違和感を抱く。 刹那。 〈夕蘭……っ!!〉 体の中の、草志が叫んだ。 「……っ、まさかっ……」 最近、怪しい動きを見せる当主が、なにか…… 目を閉じれば、聞こえてくる。 自然の声。 それを頼り、探しだすほうが、絶対的に早い。 サイトなんかよりも、力を使った方が……。 神経を研ぎ澄ませ、力を放出しようとした瞬間、くん、と、服の裾を引っ張られ、俺は目を開く。