【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



言われた通りにサイトを開き、見れば……


赤い点は、同じ場所で止まっていた。


じっとしていることを知らない沙耶が、じっとしていることに違和感を抱く。


刹那。


〈夕蘭……っ!!〉


体の中の、草志が叫んだ。


「……っ、まさかっ……」


最近、怪しい動きを見せる当主が、なにか……


目を閉じれば、聞こえてくる。


自然の声。


それを頼り、探しだすほうが、絶対的に早い。


サイトなんかよりも、力を使った方が……。


神経を研ぎ澄ませ、力を放出しようとした瞬間、くん、と、服の裾を引っ張られ、俺は目を開く。