【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



[この間言い忘れたのだが、最近、うちの娘がまた倒れてね。今日からカナダだから、少しの間、頼んだ]


―……沙耶の父親、健斗さんからだった。


沙耶がまた、倒れたところにも突っ込みたいが、倒れた娘をおいて、仕事に行く健斗さんも、それを当たり前に見送る沙耶も、やっぱり、“異常”だ。


ホーム画面に戻り、俺は即、千歳に沙耶に伝えることを打つ。


あいつ、携帯持っているのかさえ、不明だが、勿論、電話番号の交換すらしてはいない。


交換するべきかと思っていると、すぐに返信が。


[沙耶、嫌がってるけど。とりあえず、例のものを渡しといた。始業式なんだよね、今から。因みに、沙耶を含めた、薫たちはサボるって]


箇条書きのような、メール。


だが、内容は分かりやすい。


[もう、時間的にメールできない。けど、例のサイトからみれば、沙耶の居場所はわかると思う]


千歳が沙耶に渡した、例のもの。


かつて、夏翠で大活躍したものだ。