【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「じゃあ、どこから漏れたの……」


バレると面倒なので、隠していたのに。


「千歳も、柚香も違うってー」


スマホを引き続き、弄っていた澪が言う。


「じゃあ……」


あと、思い当たるのは。


「父さんか……っ!」


「……そう考えれば、辻褄合うな」


我が父、しかいないであろう。


「ああっ!もう!帰る!!」


「おう?」


「怒られるのが確定なら、覚悟しとくよ!もうっ!!」


本気で、父親に殺意が芽生える。


「……歩いて、帰るのか?」


「ん?そうだけど?」


すると、薫の目が細くなる。


「最近、動き出したから、気を付けろよ」


「なにがよ、組関係?」


「いや……巫女が、狙われているんだ。入院している、桜達の命が、やけに狙われたりしている。だから、気を付けろ」


久しぶりに聞いた、“巫女”


動き出している?


……それは、どういう意味?


「近々、説明する。もしかしたら、紗夜華の体調が優れなくて、病室になるかもだが……構わないか?」


「それは、全然、構わないよ。ただ……柚香たちが心配。真姫は?大人しく、始業式に出ているのでしょう?」


真姫の耳は、聞こえていない。

だからこそ、襲われでもしたら、大変だ。


そんな私の心配は、薫の予防によって解消される。