「じゃあ、どこから漏れたの……」
バレると面倒なので、隠していたのに。
「千歳も、柚香も違うってー」
スマホを引き続き、弄っていた澪が言う。
「じゃあ……」
あと、思い当たるのは。
「父さんか……っ!」
「……そう考えれば、辻褄合うな」
我が父、しかいないであろう。
「ああっ!もう!帰る!!」
「おう?」
「怒られるのが確定なら、覚悟しとくよ!もうっ!!」
本気で、父親に殺意が芽生える。
「……歩いて、帰るのか?」
「ん?そうだけど?」
すると、薫の目が細くなる。
「最近、動き出したから、気を付けろよ」
「なにがよ、組関係?」
「いや……巫女が、狙われているんだ。入院している、桜達の命が、やけに狙われたりしている。だから、気を付けろ」
久しぶりに聞いた、“巫女”
動き出している?
……それは、どういう意味?
「近々、説明する。もしかしたら、紗夜華の体調が優れなくて、病室になるかもだが……構わないか?」
「それは、全然、構わないよ。ただ……柚香たちが心配。真姫は?大人しく、始業式に出ているのでしょう?」
真姫の耳は、聞こえていない。
だからこそ、襲われでもしたら、大変だ。
そんな私の心配は、薫の予防によって解消される。


