【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



二人で話ながら、ため息をついていると。


柚香ちゃんの彼氏君、登場。


「沙耶、柚香」


「おー、ごめん、千歳。柚香、借りてた」


「いや、んなことより……」


(そこは、重要じゃないの?)


心の中で思わず、突っ込む。


そう言えば、千歳は基本的にベタベタしないタイプだと聞いている。


柚香もそういうことされるのは苦手な方だから、まぁ、良いカップルなんだろう。


チラリ、と、千歳が視線を彷徨わせたのを見て、柚香は勢いよく、立ち上がった。


「忘れてた!」


周囲を見渡せば、誰もいない……否。


「沙耶、始業式」


「ああ」


薫たちがいて、私は、ポンッと手を打った。