【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「……と、まぁ、そんな感じで。結婚するからさ、式、来てね」


「お、おう。世話になってるから、行くけどさ。医者っていうのは、想定外だった……」


勇兄ちゃんがお医者さんというのが、衝撃だったらしい。


だったら……。


「勇兄ちゃん、遺産、全部継いじゃったから、大金持ちだよ?うちなみに」


黒橋グループ並みといったら、まぁ、それなりの金額である。


兄貴たちが、どんどん、最強になっていく。


まあ、もとから、成績優秀、運動神経抜群、眉目秀麗……と、欠点のない兄貴たちだったが。


「大兄ちゃんはうちを継ぐだろうし……私は、将来、申し訳ないけど、兄ちゃん達の世話になりながら、働くつもりだから。つか、そうしろって、勇兄ちゃんに朝、怒鳴られた」


「……もしかして、この間、倒れたやつが影響して?」


「そうそう。『やっぱり、放っておけない!』って」


「勇真さん、沙耶のことが大好きだもんね」


妹バカになれるのなら、麻衣ちゃんを大事にしてほしいものだが。


「……勇兄ちゃんの優先比率がさ、麻衣ちゃん7、私、2、その他1なんだって」


「奥さん、大事にしてんじゃん」


「私を含む必要なくない?」


本当に、兄貴たちは変わっていると思う。