【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



昔、つか、12、3年前のこと。


大兄ちゃんと共に荒れていた勇兄ちゃんは、喧嘩が異常に強く、京都にある暴走族のトップを張りました。


……柚香、落ち着いて。


驚くのは、わかるけど。


そして、勇兄ちゃんは何もかもにやる気がありませんでした。


『めんどくさい』『やだ』『ねむい』『怠い』



それが、口癖。……って、私みたいって言わないでよ。


まぁ、それでも、統率力はあって……誰もに慕われる反面、女も呼び寄せました。


女たちを引き離すことすらも面倒くさがった勇兄ちゃんは、性欲処理のために、女の人たちと関係を持ちまくります。


最低だよね、うん。私も、そう思う。
けどさ、兄が二人、仮彼氏がそうだと考えると、なんかねー?(若い頃の父も含む)



そんなある日。


一人と女性が、勇兄ちゃんの前に現れました。


喧嘩し、血が出てきたので、保健室に行ったところ、そこに麻衣ちゃんがいたのです。


それが、始まりで。


治療が上手だった麻衣ちゃんを、勇兄ちゃんは気に入り、度々、手当てをさせました。


彼女は、勇兄ちゃんの話を何でも聞いて……彼女の雰囲気?は、勇兄ちゃんを落としました。


と、言うと、ロマンティックだが、事実は違う。


ちょっと、オイタした下の者を制裁しているとき、かねてから、敵対していた族と争いが起こって……麻衣ちゃんが、人質にとられました。


なぜかと言うと、勇兄ちゃんは麻衣ちゃんの話をするとき、とても、笑っていたからです。


そりゃあ、まぁ、勇兄ちゃんはキレました。


敵対していた族は、勇兄ちゃんの手で壊滅。


勇兄ちゃんのキレた姿を見た麻衣ちゃんは呆れ、その後も治療を施し……いつの間にか、ずっと、一緒にいるように。


そういう雰囲気というか、勇兄ちゃんを好きになってしまった麻衣ちゃんは、勇兄ちゃんの側にいました。友人として。


なのに、勇兄ちゃんは、麻衣ちゃんに手をだし……子供ができて、結婚します、らしいよ?