【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



そんな“普通”を投げ捨ててまで、努力する甥、姪。


「……京子は、最低なんかじゃない」


俺がそう断言すると、泣きそうな顔で「ありがとぉ」と言った。


御園には、複雑な決まりがある。


まず、儀式もだが、それが婚儀となり、それに耐えられなかった人間は、死する。


娘が婿とりして、家を継ぐことも勿論、ある。


今までの歴史のなかで、耐えられなかった人間なんてたくさんいる。


……否、儀式には耐えられても、その後の周りからの目、噂、悪口、夫、または、妻の興味を自身にずっと惹き付けておきながらの生活。


愛され過ぎた場合は、その愛に耐え抜く覚悟。


才知、容姿、家柄は関係なくも、それだけ重いものが御園の、しかも、直系の者達の相手には求められるので、儀式に耐え抜いた先駆者たちも、その後の生活に耐えられず、抜け出したり、自殺したりする例が多い。



相馬達の父親であり、俺らの弟である春馬も同じことだと思っていた。


俺らの父親である御園陽介の母親は、第二奥方であり、当時の当主―俺らからすれば、祖父―の愛を一心に受け止めた人だった。


愛していたからこそ、祖父も儀式を受けさせることをいやがったそうだが―儀式を行われる部屋は、決まっており、御園本家の奥の部屋・鬼華(きか)と呼ばれる―、祖母であり、父の母親であった御園涼夏(りょうか)が笑い飛ばして、望んだと聞く。


その儀式を行うと、必ず、子を宿す。


何故だかは、解明されていないが、それも御園の者に流れる鬼の血のせいなのであろう。